➌歯周病を悪化させる因子

◇タバコが歯周病を悪化させる

人体の末端にある歯周組織、口では歯肉などに栄養を供給しているのは毛細血管です。この毛細血管を酸素などの栄養分が流れて、各末梢の組織、臓器に供給されています。しかしタバコを喫煙していると、ニコチンは血管を収縮させる働きがあるため、酸素の供給を阻害して歯周の周りの骨や歯肉などの組織への栄養補給が行き渡らなくなります。口の中では歯周病菌と組織との戦いが繰り広げられていますが、歯周病菌によって組織が壊される。そして体がそれを修復する・・・といった過程が妨げられてしまいます。細菌と戦う兵隊である白血球や壊れた組織を治す線維芽細胞(歯茎を作る細胞)の機能を低下させることによるもので、歯周病の治癒が思うように進まなくなります。

毎日の臨床で喫煙者の歯肉はすぐ分かります。ご本人が吸っていなくても家族が近くで吸っている方もです。多くの喫煙者のの弾力性に乏しく貧血様の状態で色素沈着しています(上写真)。

歯周病を治癒には、歯肉への血液による栄養供給が不可欠です。

 

歯周病治療をしていても、なかなかよくならない方がいます。よくなりそうでも、再び悪化の道をたどる方がいます。こういう方の中にタバコと縁が切れない方が多くいらっしゃいます。

 

歯が無くなるだけではない、命にかかわることです。

ぜひ禁煙に挑戦していただきたいのです。


成人男性の平均喫煙率はピークだった昭和41年の83.7%から減り始め、平成21年度は38.9%になっています。成人女性の平均喫煙率は11.9%でこれは横ばいです。
諸外国と比べて、いまだに高く、年齢別では男女共に30歳代が一番多く吸っているようです。

参考までに、現在ではタバコがやめられないのは「依存」によるとの考え方が一般的です。

☆「東京都医師会の禁煙宣言」に関する資料でました

↓「東京都医師会 禁煙宣言」のホームページです。

http://www.tokyo.med.or.jp/nosmoking/

ここからタバコQ&Aにいくこともできます。

現代の考え方を示していて、よくまとまっています。

ぜひ目を通してみてください。

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タバコQ&A
タバコQandA(東京都歯科医師会).pdf
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◇糖尿病が歯周病を悪化させる



◇咬む習慣が歯周病を悪化させる