◇歯を失うこと・・・そして義歯へ

歯を失うというのはだれでもたいへんショックなことです。

 

なのに、義歯を入れなければならないことが、さらに追い討ちをかけます。

 

しかし、抜いたところをそのままというわけにはいきません。歯科医は口の中だけでなく体にも様々な問題が生ずる前に、できる限り間をあけずにいずれかの方法で機能を回復したいと思っています。

 

では、歯を失った後、どんな選択肢があるでしょうか。前後に比較的丈夫な歯が残っていればブリッジがあります。前後の歯を傷つけたくないとか、残っているご自分の歯に問題があるのであれば、インプラントという選択肢もあります。しかし、それ以外はすべて義歯ということになります。

 

できる限り元のお口の状態に戻して差し上げたいのが私の願いです。しかし、義歯は見た目や装着感に違和感を抱く方が多いというのも事実です。

 

みつもり歯科医院では、保険の義歯も丁寧に作っておりますが、強度や快適性の点でご要望に十分お答えできない場合が多々あります。

 

そのようなときには自費の義歯をご検討いただくのも、ひとつの道ではないかと思います。


◇違和感の少ない義歯を入れたい

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ノギスで義歯の厚みを測ってみますと、上の保険の義歯はほとんどがレジン(硬いプラスチックのようなもの)でできているため強度の点から3㍉前後より薄くできません。

しかし下の金属床義歯(金属の骨格=メタルフレームを使った義歯)は、1㍉以下で、場所によっては0.5㍉と、保険の義歯以上の強度をもちながら3分の1以下の厚みしかありません。言うまでもなく、舌先がたえず触れている前歯の裏が薄いというのは想像以上に快適なことだと、入れた方みなさんおっしゃいます。

また金属の義歯の大きな特徴は、金属が使われていると、一見冷たそうに見えますが、入れてしまえば暖かいものは暖かく、冷たいものはちゃんと冷たく瞬時に感じ取ることができます。これも保険の義歯が温度が遅れて伝わるのとは大きく違う点です。温度も味を大きく左右します。

 一般的に使われる金属は長い歴史のある信頼性の高いコバルト・クロムという合金です。強くて弾力があり義歯には最適です。最近はチタンという金属の義歯も増えています。羽根のように軽くて丈夫なのが特徴です。

◇上あごを覆(おお)わない義歯が楽でいい

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下の部分床義歯の写真を見てみましょう。一見AもBも上に入れている義歯はどちらも同じように見えるでしょう。ところがはずしてみると右図のごらんのとおりです。Aの義歯は上あごがそっくりありませんよね。そうなんです。歯ではずれるのを抑える部分床義歯は咬む力を受け止められる範囲内であれば義歯はできるだけ小さくできるのです。

 

ところが前述のように上の保険の義歯はほとんどがレジンでできているため、薄くできません。また小さくすることもなかなか思うようにできません。これを大丈夫だろうと小さく薄く作ってしまうと特に上の義歯は、下からの突き上げで真二つに割れてしまうことがしばしばあります。


      金属床義歯(総義歯・部分床義歯共通)の料金の目安

      義歯の種類  金額
    コバルト・クロム床義歯 350,000円
    チタン床義  450,000円

      ●この他に金・白金加金床義歯

  ●バネの数、有無にかかわらず料金は同じです

  ●金属床義歯に後述のバルブラストの材質、マグネット、

  コーヌスの装置等を組み合わした場合、技工料、

  加工料が加算される場合があります


◇金属が見えない義歯がいい

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義歯のバネが何とかならないかというかたが多いです。女性のみならず男性だって義歯の金属がちらちら見えて、義歯が入っているんだなと思われちゃうのは嫌なものですよね。

 

そこで上の右の写真の義歯ができました。金属製のバネがないバルプラスト義歯といいます。見た目は従来の義歯に似ていますが、右写真のように、これまでにはない高い弾力性があり、ピタッと吸付くように、そして包み込むように入ります。

入れて最初の調整の日に○○さんが叫びました。「保険の義歯と入れた感じがぜんぜん違う!恥ずかしくないしぴったりで違和感がないもの!」


    バネの見えない義歯( バルブラスト義歯)の料金の目安

    失った歯の数が少ない

    片側だけで義歯が維持できる場合

100,000円

    失った歯の数が多い

    左右で維持させないと安定しない場合

200,000円

◇マグネット(磁石)で義歯が安定

歯は咬むためにあるのに、実は咬む力にとても弱いのです。歯周病で弱った歯に義歯のバネがかかると歯の寿命を極端に短くなってしまいます。しかし、義歯が落ちてしまうのでバネをかけざるを得ないことが結構あります。次ページの上の図は、歯周病の進んだ歯に義歯のバネをそのままかけたものと、歯を短くしてそこにマグネット(磁石)を付けたものとを比較したものです。は骨の中の部分と外に出た部分との境界です。見てのとおり、バネのかかった歯の方が外の出ている部分が長く、はるかに負担が大きいことがお分かりでしょう。マグネットは弱った歯を復活させ、長持ちさせるのに大きく役立っているのです。

左の写真は保険の義歯にマグネットを付けたものです。もちろん自費の義歯にも付けることができます。「歯ぐきが腫れなくなったし美味しいし義歯だと気が付かれないみたい」と○○さんは大喜びです。


 ○通常2対以上で安定させます

 ○保険の義歯へも自費の義歯へもつけられます

      金額の目安

 金額
    マグネット1歯(1対)   80,000円

◇世界で一番快適な義歯


○○さん45歳男性。重度の歯周病で悩んだあげく当院を受診しました。左がそのときのレントゲンです。もう抜け落ちそうな歯が何本もあって、保険の義歯をお使いでしたが、グラグラして歯が浮いたようになっていて、痛みもあってまともに食事ができなかったそうです。

 

バネ付の義歯の最大の欠点は咬むたびに自分の歯がグラグラするのを止められないことです。次ページの上

バネ付の義歯の最大の欠点は咬むたびに自分の歯がグラグラするのを止められないことです。次ページの上図①のように下の歯に突き上げられて、自分の歯は特に外側に向かって開くように揺さぶられます。それは、まるで歯を抜くときの動きです。歯周病にかかっている人の歯は、この力のために急激に悪化します。

 

右図②はコーヌス・テレスコープ義歯です。図のように中の金属が見えているわけではありません。義歯の自然に見える人工の歯の中に、精密に作られた金属の歯がガッチリはまり込みます。それにより自分の歯は完全に固定され、少しの揺るぎません。

③ブリッジのように噛めるコーヌス・テレスコープ義歯

下の写真Aはその中の金属の歯(内冠)。左Cはその義歯で、内冠にはまる歯(外冠)の内面が見えます。そしてBがそれを装着した写真です。全部歯がない全部床義歯のように見えますが明らかに部分義歯です。

○○さんがうれしそうに「歯周病で歯が抜け続けていたのに、この義歯を入れてから一本も抜けない。しかも何でもバリバリ食べられる」と。ブリッジの良さと義歯の良さを合わせ持つすごい義歯なのです。